2005年度作品。日本映画。
2004年に起きた日本人イラク人質事件をヒントに映画化。帰国後、周囲から激しい批判を浴びる女性が葛藤を通して再び中東へボランティア活動に向かうまでを描く。
監督は「歩く、人」などの小林政広。
出演は占部房子。田中隆三 ら。
見ている最中、バッシングの描き方がどうしても納得できなかった。
たとえばコンビニでおでんを買った主人公が襲われるシーン、そして主人公の父親が解雇を迫られるシーンなど、事件から半年も経つのに(って、セリフの中にあったはず)、あのような一連のバッシングがいつまでも起こるとはどうしても思えなかったのである。
それに久々に会った恋人がいきなり彼女を責めるシーンにも納得がいかなかった。
たとえ正義感があったとしても、市役所に勤め、会おうと言い出すほどの人物が会って早々に人を非難するだろうか(しかし彼の主人公の人物評はきわめて的を射ていた)。
それらはみんな細かいことだ、と言われれば反論もできない。人間なんてそんなものだと言われれば言葉もない。
しかし本作は、バッシングという状況を描こうと意気込むあまり、不必要な誇張が入りすぎているという印象を受けてならなかった。そのせいで今一つ映画に入り込むことができなかった。
しかし、これだけ批判しておいてなんだが、この映画はつくられる意義のある映画だと僕は感じた。
たとえばこの映画で描かれた理不尽さ、他人を不必要に排除しようとする雰囲気、そしてその周りにある生きにくさ、そして周りの人間が叫ぶ「みんな」という言葉の空虚さ。そういったものを真正面から捉えようとする姿勢はすばらしいと僕は思った。
おもしろかったのは彼女がボランティアで海外に行く理由が他人からの認知欲求と、ある種の自分探しであるという点だ。そういう点でも、この作品は時代性というものを掬い取っているのではないだろうか。
評価:★★★(満点は★★★★★)
2004年に起きた日本人イラク人質事件をヒントに映画化。帰国後、周囲から激しい批判を浴びる女性が葛藤を通して再び中東へボランティア活動に向かうまでを描く。
監督は「歩く、人」などの小林政広。
出演は占部房子。田中隆三 ら。
見ている最中、バッシングの描き方がどうしても納得できなかった。
たとえばコンビニでおでんを買った主人公が襲われるシーン、そして主人公の父親が解雇を迫られるシーンなど、事件から半年も経つのに(って、セリフの中にあったはず)、あのような一連のバッシングがいつまでも起こるとはどうしても思えなかったのである。
それに久々に会った恋人がいきなり彼女を責めるシーンにも納得がいかなかった。
たとえ正義感があったとしても、市役所に勤め、会おうと言い出すほどの人物が会って早々に人を非難するだろうか(しかし彼の主人公の人物評はきわめて的を射ていた)。
それらはみんな細かいことだ、と言われれば反論もできない。人間なんてそんなものだと言われれば言葉もない。
しかし本作は、バッシングという状況を描こうと意気込むあまり、不必要な誇張が入りすぎているという印象を受けてならなかった。そのせいで今一つ映画に入り込むことができなかった。
しかし、これだけ批判しておいてなんだが、この映画はつくられる意義のある映画だと僕は感じた。
たとえばこの映画で描かれた理不尽さ、他人を不必要に排除しようとする雰囲気、そしてその周りにある生きにくさ、そして周りの人間が叫ぶ「みんな」という言葉の空虚さ。そういったものを真正面から捉えようとする姿勢はすばらしいと僕は思った。
おもしろかったのは彼女がボランティアで海外に行く理由が他人からの認知欲求と、ある種の自分探しであるという点だ。そういう点でも、この作品は時代性というものを掬い取っているのではないだろうか。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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